ヨーガの作法

ヨーガの実践で大切なのは、作法=決まった仕方。

どのようなプロセスで、どのような意識づけで行うかが、とても大切なんです。
一見、からだを曲げたり伸ばしたり、その優劣を競うと解されることもありますが、
実際は、そうしたことよりも、その過程、プロセスが重要なんです。

「弓はただ射て見せたとて無益なり。何ともなくて気高きぞ良き」

ということばがあります。「射て見せる」という構えの意識は、
装飾を多くほどこしたようなもので、いわば計らいが多いんですね。
それに対して、「何ともなくて気高きぞよき」というのは、
そういったものが一切なく、気品漂う品の良さがあり、優雅で美しい響き表しています。

ヨーガの作法では、手順や呼吸、「間」などがその代表的なものですが、
これらを重んじる事によって、からだは動きやすく、こころはおのずと調うようになります。

小笠原流礼法の宗家の方が、馬上で的を射る流鏑馬について、
次のように述べられています。
これは、そのまま、ヨーガにも当てはまることなんですね。

「当てれば良いとか、そういうもんじゃない。
かたち通り決められた作法にのっとってきっちりと行う。
すべてを作法通りに行って、その上で、すべて当たるということ。
そして、神に感謝を捧げるということになるんじゃないかと思います。」