ヨーガと自然

自然志向が流行っていますね。自然食を食べたり、生野菜をたくさんとったり、山歩き、ガーデニング、、、。いろいろな仕方で、自然に接しようと考える方が多くなりました。これらはみんな、自然に戻ろう、触れようとする欲求なんです。

ふりかえると、自分の周りの自然が減っていたり、都会の中に過ごすことが多くて、どこかで息苦しさを感じているからなのかも知れません。古来、自然ともに暮らしていた私たち人間は、進化するとともに自然を利用するようになって、自然を自分の外に置いて、自然から遠ざかってきたのが原因なのでしょう。

土の薫り、良いですよね。大地があるだけで、とても安心できます。

野菜を食べたくなったり、山に登って良い空気を吸いたくなるのは、自らの内に不足している大自然を補うためなんです。でも、野菜を取ったりすることだけが、その対処方法ではありません。実際、世界中のすべての民族が野菜をたくさん食べるわけではありません。他の形で大自然を吸収できていればいいんです。

この自然というのは、植物性に接するという意味だけではなく、自分を取り囲むすべての時間的、空間的なことに関わるものです。
私たちは、自然の時間ではなく、時計的に決められた時間性の中で生きなければなりませんし、人工的ないわば、不自然なものばかり見ています。そんななかで、大自然の時間的運行を大事にしていたり、眼に写るものの中から、人工的ではない天然的なものを大切に味わうだけでも、自身の中の自然は保つことはできます。

そういう意味で、ヨーガはものすごく自然なものです。自然への戻りかたを教えてくれるものなんですから、、、。かつて、ブッダは菩提樹のもとでヨーガ、瞑想し、そして悟られました。これも、「菩提樹(自然)と一体」になれたことなんだと思います。

自然から離れようとする力のもとは、私たちの眼を眩まし、こころをを覆う「罣礙」(けいげ)つまり、煩悩です。天然で自然な産物の私たちは、環境から自然がなくなれば生きていけないですから、大事にしないと。結局それが、周りの方々にとっても、自分自身にとっても一番大切なんですね。

ヨーガに触れるといのちに触れる。そういう様々なことを教えてくれるように思います。