「螺鈿の軸は貝落ちて後こそいみじけれ」⇒吉田兼好
何でも新しいものが良いという風潮ですが、古いものにこそ、本当の美しさをそなえている、という考え方もあります。長い間使っているうちに自ずと熟成されてくるものがあり、熟成があるからこそ、本当の美しさがあるのだ、と兼好はいっているのです。それは、古いものの内には、すべての時を積み重ねていると感じたからでしょう。
また、人はその全人格に個を越えた歴史を刻んでいます。
私たちひとりひとりの内に、どれだけのご先祖様が宿っているかを数えてみた方がいるんです。大仏教学者であり宗教家であり、実践家でもある玉城康四郎先生(故人)です。以前、日本ヨーガ光麗会の講演で来ていただいたことがあります。
玉城先生によると、私ひとりの内に両親がいるので、まずふたりの先祖は確定しています。そして、その両親、そしてまたその両親と辿っていくんです。10代(約300年)遡れば、2046人、20代(約600年)で2,097,110人、30代(約900年)で2,147,483,646人となります。なんと20億人!
そして、実際はそれ以上の膨大な先祖の記憶が、私たちひとりひとりの記憶に宿っているんです。
興味深いと思いませんか。
でも、今の自分の我が強すぎるとそれが蓋になって、ご先祖様も見えなくなるし、ご先祖様の力も頂けないんですよね。ヨーガをとおして自分に宿る先祖様を供養し、身体の隅々、心の隅々を意識に上げて思い出す。
ご先祖様を思い出し、今、自分のあることに感謝したいですね。



