螢~京都・銀閣寺界隈~

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久しぶりに蛍を見た。京都・銀閣寺界隈の疎水沿いには、今でもチラホラと見ることができる。
幼少の頃は、蛍を見るために京都市北方の大原まで連れて行ってもらったものだ。蛍をみるとそういうことを思い出す。
この時代、蛍を知らない、見たことのない人が多い。少しかわいそうな気もしないではない。

ゆっくりとした独特の周期で点滅を繰り返している。その「ゆらぎの周期」が、忙しすぎる世の中の時間の流れや目先の実利や効率を重視する手法とはみごとに対極にあるように思う。あまりにそちらに傾向すると、蛍も見えなくなるような気がした。逆にこの「ゆらぎの周期」さえ忘れなければ、自分を見失うこともないのではないか、とさえ思う。それほど私たちには、「ゆらぎの周期」が必要なのだ。

そんな時、蛍を今まで見たことのないという、女学生に会った。来春卒業して、社会に出ていくという。その前に、見にきたらしい。社会に出て、忙しい時にもまれていくだろうが、ホタルを見にきたこの時の気持ちと、始めて見た時の感動は忘れないで欲しい。