抜群の浄化力

お香の香り、いいですよね。
少し香っているだけで、妙にこころが和みます。
すごい浄化力なんだなぁ、とつくづく思います。

お香屋さんに聞いたことですが、お香の香りは、一方向のみに伝わるような直進性ではなく、同心円状に遍く広がりゆくのだそうです。
教えを聞く聞法に対して聞香といい、遮るものなく広がって行くのは真理が伝わるのと同じなのだそうです。

私たち日常は、イライラっとしたり、気持ちが高ぶったり、落ち込んだりと、こうした情動に支配されていて、なかなか世俗の心情から抜け出せないものです。
そんな時に、こころの内のクリーナーになるのが、声を出して唱えるお経。

お経を声に出して唱える読誦には、お香によって和むのとはまた違った、内側からの抜群の浄化力をもたらしてくれます。こころの盲目的な情動をスーッと浄化してくれるのです。
呼吸の波動に馴染みやすい、サンスクリット(梵語)なら、浄化力も一層高まります。古来より唱えられてきた『般若心経』なら簡単です。

गते गते पारगते पारसंगते बोधि स्वाहा //

gate gate pAragate pArasaMgate bodhi svAhA .※ 

ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スヴァーハー。

単音を一拍、長音を二拍相当にして、お腹から声を出して読んでみましょう。

こころが盲目的な情動に支配されている時は、こころが狭くなっているとき。そんな時は、深い呼吸で大きな声を出すのが効果的なんです。ストレスが溜まった時に、なんとなく「わーっ」と声を出したり、カラオケに行ったりしていることと基本的には同じです。

ただ、それだと根本的な解決にならず、一時的な現実逃避になります。そのあとに、気持ちを鎮めて自分を取り戻すには、お経を唱えるのが最適なんです。
こころの内にスーッとクリーナーがかかったように浄化されているのが確認できると思いますよ。

※ローマナイズ・フォントが使えないので、ここでは「京都・ハーバード方式(KH方式)」にて表記。