町中には画像のような「大売り出し」「石油」などの宣伝旗があちこちに見受けられます。あまりに見慣れているので何とも思いませんが、実はこれ、かなり古い日本の伝統なんです。
下の画像は、戦国時代の1570年に姉川付近(滋賀県)で行われた合戦をあらわした「姉川合戦図屏風」の一部ですが、「厭離穢土」「欣求浄土」と記されたのぼり旗が見られます。これは徳川家康の旗印ですが、これは、源信が985年に、浄土教の立場で著した書籍、『往生要集』にその典拠を見ることができる仏教的なものです。
また、武田信玄の有名な風林火山、「其疾如風,其徐如林,侵掠如火,不動如山」がありますが、こちらは兵法書『孫子』に典拠があるところから見て、その真逆な指向性間違いにも興味を引きます。このように、のぼり旗はその使われ方は変わっても、戦国時代以来の慣習を続けているのです。
また、呼吸をその心とともに大事にしてきたのも、また日本の伝統です。
わが国で、呼吸についての最初の記述があるのは古代の歴史書『日本書紀』(720年)です。もちろんこの時代に統御法としての呼吸の仕方が発達していたとは考えられませんが、呼吸が何らかの興味の対象となっていたことは事実です。
以来、密教や禅を経由して、インド的修養法に起源をもつ呼吸の実践が続けられてきたのです。我々日本人は、ヨーガや気功法などを実践していなくても、呼吸法という言葉は、日本人の心の底に深く入り込んでいますし、呼吸や息づかいを使った、「気が合う」「気に入る」「気が抜ける」などのことばも多く使われてきました。
日本人は、古来より呼吸・息を大事にしてきて今に至っているのです。戦国武将があげた旗印が今に息づくように、呼吸法は日本の伝統といえますね。
古来より続く日本の伝統が、形を変えてあちこちに息づいている。とても素晴らしいことだと思うんです。




