雄弘ヨーガの同志の佐藤さんから頂きました。五木寛之さんの連載エッセイ「新・地図のない旅」より「吸って、吐いての相伝」。
岡田式静坐法による呼吸法が話の中心だが、昨今、様々な分野で呼吸法はかなり盛んに扱われているが、その多くが「呼主吸従」の思想に基づく中国的呼吸法のみが語られる。
しかるに、生物本来の生理呼吸もブッダの呼吸法もヨーガの呼吸法も、呼吸ならぬ吸呼、すなわち、入息ー出息を推奨する。「吸ってー吐いて」なのである。
ヨーガのプラーナーヤーマ “prāṇāyāma”は、その系譜に従って呼吸を活性、コントロールし、そのまま三昧へと導くものである。
仏教では呼吸の活性こそ積極的には行わないが、観察し心を静め三昧へと導く「入出息念」すなわち、アーナーパーナ・サティ “ānāpānasati” を説いている。これが、現在のマインドフルネスの原点となった。