頭立は逆立ちではなく心の鍛錬である

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ハタ・ヨーガのアーサナに有名な体位がある。Śīrṣa-āsana(シールシャ・アーサナ~頭立~)である。ヨーガの逆立ちは頭を床につけて肘で支える三点頭立が主流である。

さてこの体位、体育的意味合いで逆立ちを完成させることだけに意味があるのではありません。Śīrṣa-āsanaの精神というかその心こそが大切なのです。

つまり、逆立ちによるバランス力や身体能力よりも、逆さ世界を冷静に観察する力こそが大切なのです。私たちは、普段高い位置から両眼で世間を見渡しています。しかし、頭立では、両眼は床近くにあり逆さ世界を超ローアングルで眺めることになります。

この日常ではあり得ない世界を観察して受け入れる能力をつけることこそが大切なのです。この修習によって、心が鍛錬され、我々に普段ではあり得ないことが起こって降りかかった時にも冷静に対応する能力をつけてくれるのです。

その点では、頭立の完成よりもそこに至るこのプロセスの意味が大切となります。

このプロセスが完全になる前に逆立ちしようとすると、逆立ちのみに気が散ってしまい、観察どころではありません。このプロセスにおいて、普通呼吸で冷静に逆さ観察し、瞑想するように心も体も安定して保つことが大切だといえます。

指導者の下で、このプロセスの体位に挑んでみてください。

Śīrṣa-āsana(シールシャ・アーサナ~頭立~)の動画はこちらをクリック