みなさんはどんなお部屋でヨーガをしていますか?
やはり静かなところ? 生活の流れで行うから居間?
テレビを見ながらとか、音楽を聴き(流し)ながらとか?
『シュヴェーターシュヴァタラ』というウパニシャッドに
「平坦、清潔にして、砂礫、火気なく、喧声、水、他の隠棲所なき地において、目に障るものなき、適意なる所において、閑静にして、風にさらされざる隠所においてヨーガを行ずべし。」と説かれています。
当時のインドでは、屋外の森などに住まいして修行していたので、このようにいわれていますが、今の私たちにふさわしく理解するなら、座するのに床が安定したところで、おちついた静かなところが望ましいということでしょう。
気を散らしたり、五感に刺激的に働きかけてくるものなどは、避けた方がよいということですが、誰もがそんな閑静な住居に住んでいるわけでもなく、何かしら音や刺激があるものです。そのなかで、できれば照明の種類や部屋の色調には気をつけたいものです。
蛍光灯は、蒼白く、本を読んだり仕事をするには最適ですが、心を静めるには不向きです。
白熱灯などの黄色い電灯は、暖かみがあり目にもやさしく、落ち着くには最適ですが、テキパキとした作業をするには不適切です。
呼吸を調え、心を静め、自分をとりもどすひとときですから、あまり、煌々としたなかよりも、若干暗いめの方が目を刺激しないので良いでしょう。五感の情報量のうち、80%が視覚によるものなのですから…。
また、色調や明るさは、私たちにものすごい影響を与えています。蛍光灯やLEDなどは、蒼白く交感神経を刺激するのに対して、暖色系の色を発する白熱灯やロウソクなどは、光の波長も長く副交感神経を刺激するという傾向があります。
色や明るさには波長があるため、明るく蒼白いひかり(波長が短い=速いサイクルのもの)は意識の覚醒に、暗い暖色系のひかり(波長が長い=ゆっくりとしたサイクルのもの)は意識の沈静に効果的には働くという原則を念頭においておくと良いでしょう。そういう意味で、夜に行う場合は、少し暗めの白熱灯かロウソクをつけて行うのが、ヨーガにふさわしいライティングといえます。
また、例え蛍光灯を使っていても、そこが畳の部屋なら、部屋全体が黄色い色調となりますが、白壁だと真っ白になって、それこそ「目に障る」ようになります。照明や部屋全体の色調を少し気に掛けるだけで、ヨーガの効果も深くなるものなのです。