神様仏様がそっと力をかしてくださる、、、

地蔵菩薩を描こうとしていたものの、どんなにやってもうまく書けず、「見たこともない菩薩をどのように上手く書けというのか」と嘆いた歴史的人物がいました。

お経を誦んだり、仏画を描いたり、究極的には寺院を建立したりすること等が功徳の高い行いとされてきました。平安時代の飢饉や震災、大火が続けざまに起こった時代は仏教が滅んでしまう末法の時代だとして、多くの貴族が、自らの救いを念じて寺院建立や法要行事を営んだものです。

それに対して、庶民の救いのためにと建立された寺院が、世界遺産となった中尊寺金色堂です。金色堂は創建当時はどこからもだれもが参拝できるようにと、覆いもなく、その前まで参拝路が作られていたといいます。

また、万事、準備万端なのにもかかわらず、なかなか結果を出せないオリンピック選手がいました。こんなにしっかり練習しているのに、タイムも出せているのに、なぜか本番では優勝できない。神仏にも祈ったし、やるべきことを、すべてやっているのに、と嘆いたそうです。

これを聞いていたコーチが、
「自分が優勝することだけを考えて、自分のためにやっていても誰も喜ばんぞ!
そんな奴には神様仏様も力なんか貸してくれん!見てくれる人や応援してくれる人に最高の試合を見せたいと思って頑張っていると、ああ、よく頑張ってるねって、そっと力をかしてくださるんだよ」、と言われたそうです。

この言葉でハッと目が覚めて、みんなが喜ぶことを徹底しようと、駆け引きなしにゴミ拾いやトイレ掃除など、皆が嫌がるような作業を積極的に行うようになったそうです。
そして結果的に、金メダルを獲得したというのです。

すばらしい行いでもその心持ちによっては、まったく違うものになってしまう。それは、ヨーガの場合も同じことがいえるのかも知れません。すばらしいヨーガに携わっているからこそ、こうした心持ちを忘れないようにしたいと思いました。