廻し向ける

力強い功徳、効果をもたらすヨーガですが、もしそれが自分のためだけのものであれば、はりあいがなく、もたらされるエネルギーも限られたものとなり、本気力も足りない、こぢんまりとしたものになってしまいます。

もし、ヨーガが自分のためだけのものであれば、効果も乏しく、大願成就するかどうかも疑わしいものです。でも、そこに一分でも他を思う気持ちが働けば、情勢は一変します。
そしてその思いが強ければ強いほど、エネルギーも強くなり、様々な功徳がもたらされるのです。

礼法を身につけた方の身のこなしは、とても美しいものです。誰しもあのようにありたいと願うもの。でもそれは美しく見せようとしているのではなく、どのようにすれば、自分の身のこなしが相手の方にもっとも心地良く響き、感じてもらえるのか、そういう立場から長年培われてきたものだそうです。そこには、他を思いやる気持ちが含まれていたのです。

明日は震災一年目。功徳を廻し向ける思いを込めて、目一杯、「美しく」ありたいと思います。

「誰がための、何のための瑜伽ぞと沈思黙考」